小さい時から泣くのは恥ずかしいことだと思ってきた。

歯医者でも予防接種でも泣かないの偉いねって言われてきた。

それを聞いている幼き私の顔は間違いなく満足気であった。

 

でも感情がわからないまま泣くのは初めてのことだった。

嬉しい、悲しい、達成感、後悔、無力感、いろんな感情がぐるぐる混ざってその感情を外へ示すための涙。

涙と言う名の感情のミックスジュースだねとかカッコつけたこと言ってみる。

 

泣くことは恥ずかしいことだと散々思ってきたのに、泣かないようにしようと何度も堪えたのに、気づいたら涙が頬をつたっていた。

 

嗚咽で上手く話せない私をみんな受け止めてくれた。

笑う人、どうしていいかわからないなりに慰めてくれる人、もらい泣きする人、ハンカチを貸してくれる人、たくさんの受け止め方をされた。

 

そこで初めて気づいた。

私ってまだ素直に泣けるんだって。

慰めてくれた人が言った。

こんなにピュアな人いないって。

とりあえず褒め言葉として捉えておこう。